2006年6月6日(火)「しんぶん赤旗」
教育基本法
戦前教育反省し制定
石井議員 “米押しつけ”論に反論
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日本共産党の石井郁子議員は五日の衆院教育基本法特別委員会で、現行の教育基本法が米国に押し付けられたという議論に対し、教育基本法制定にかかわった人たちの証言を紹介し、「教育基本法は日本人の手でつくられた」と明らかにしました。
例えば、文部省の日高第四郎学校教育局長(当時)は「教育基本法の場合には(GHQの)実際上の干渉はなかった」と述べていました。文部省参事として法律作成の中心だった田中二郎氏も「教育基本法は日本で自主的につくったと言っていい」と語っています。
石井氏が文科省の認識をただしたのに対し、小坂憲次文科相は「制定当時のGHQの関与が明らかでないため、文科省としては答えられない」としながら、「現行の教基法は政府の発意で法案が作成され、帝国議会の審議を経て制定したことは明らか」と答えました。
また石井氏は、教基法発案者の田中耕太郎元文相が、現行の教基法について教育の目的を定めたのは戦前の教育を否定するための異例の措置であり、「これを拡張強化してはならない」(『ジュリスト』創刊号、一九五二年)と述べていることを指摘。改悪法案が「教育の目標」として「愛国心」など二十の徳目を押し付けることは「まさに拡張強化だ」と批判しました。
小坂文科相は「国会の審議を経て決められた法律を教育の現場に浸透させるのは違憲ではない」と答弁。石井氏は「法律に書きこめば強制力を持つことになり問題だ。法案は憲法の保障する内心の自由に反する」と改悪法案の廃案を求めました。