2006年6月4日(日)「しんぶん赤旗」
民間人虐殺 また発覚
イラク米軍
隠ぺいに批判広がる
イラク駐留米軍がバグダッド北西の町ハディサで女性や老人を含む市民多数を殺害し事実関係を隠ぺいしていた問題に批判が巻き起こっています。マスコミでは他の虐殺事件も相次いで暴露され、ベトナム戦争中の米兵による「ソンミ虐殺」事件との類似も指摘されています。ブッシュ大統領は「政府にとっても海兵隊にとっても大変困った問題だ」と認めました。
ロイター通信によると、昨年十一月にハディサで民間人二十四人を殺害、今年に入ってからも、米軍が民間人を殺害したとみられる事件が五件報じられています。
三月十五日、バグダッド北方百キロのイスハキで、米軍が民家に突入。米軍は、武装勢力との戦闘で女性二人と子ども一人が死亡したと説明しましたが、地元警察は、子ども五人を含む十一人が射殺されたと証言しています。
同月十八日、バグダッド北方のドルイヤで十三歳の少年とその両親を含む八人が、米軍の攻撃にあい死亡。米軍は、テロリスト七人を殺害したとしています。
四月二十六日、バグダッド西方のハマンディアで民間人一人を殺害。
五月四日、中部サマラで六十歳と二十歳の女性、精神障害を持つ男性を射殺しました。
同月三十一日、出産のためサマラの病院に車で向かっていた妊婦一人を含む女性二人を射殺。米軍は、運転手が停止信号を無視したと説明しています。