2006年6月2日(金)「しんぶん赤旗」
少人数学級
首相「その方がいい」
石井議員「教育基本法改悪は逆行」
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一日の衆院教育基本法特別委員会で、日本共産党の石井郁子議員が少人数学級実施の決断を求めたのに対し、小泉純一郎首相は「私も少人数のほうがいいと思っている」と答弁しました。少人数学級のほうがいいと述べたのは歴代首相で初めてです。小泉首相は「いま子どもが少なくなって、いずれ三十人学級になってくる。生徒にとっても先生にとっても少人数のほうが教えやすい」「これは進めていきたい」とも述べました。
石井氏は文部科学省が昨年四月に行ったアンケート調査を紹介しました。習熟度別指導などの学級定員を減らさない「少人数指導」と比較して、「学級編成人数を引き下げたほうが効果的」と答えた学校が小学校81・8%、中学校86%だったのに対し、「少人数指導の方が効果的」と答えたのは小学校30・6%、中学校42・2%と少数でした。
また石井氏はヨーロッパなどでは少人数学級が当たり前であることを示し(表参照)、「多くの自治体が独自に少人数学級に踏み出している。踏み出していないのは東京都と国だけだ」と政府の姿勢をただしました。
小泉首相が「習熟度別のほうがいいクラス・教科もある」と述べたのに対し、石井氏は「習熟度別は結局能力別になる」「四十人学級に手をつけないやり方に問題がある」と批判しました。
石井氏は、現行基本法第一〇条で「教育の目的を遂行するに必要な諸条件の整備確立」をうたっているが、改悪法案はこの規定を削除していると指摘し、「今でも不十分なのに、この規定を削ったらますます後退することになる」と改悪法案の廃案を求めました。
諸外国の学級編成基準
イギリス 初等学校1、2年 30人が上限
フィンランド 24人が上限
ド イ ツ 基礎学校、基幹学校 18〜30人
実科学校、ギムナジウム 26〜30人
イタリア 最大25人
カ ナ ダ 初等教育24人、中等教育22人
ロ シ ア 25人が上限
日 本 40人
(初等・中等教育、国立国会図書館調べから作成)