2006年6月2日(金)「しんぶん赤旗」

「9条が狙い」明白

改憲手続き法案 審議入り

自公・民主案とも撤回を


 現行憲法制定後初めて憲法に直接かかわる法案となる改憲手続き法案(自民・公明案、民主案)が一日、衆院本会議で審議入りしました。国民投票手続きと改憲案発議のための国会法改定を含む同法案について、日本共産党の笠井亮議員は「国の最高法規である憲法にかかわる重要法案を会期末に駆け込みで提出し、審議を推し進めようとするなど論外だ」として、両案ともただちに撤回するよう求めました。


衆院本会議 笠井議員が質問

写真

(写真)質問する笠井亮議員=1日、衆院本会議

 笠井氏は、法案が日本を「海外で戦争をする国」につくりかえる九条改憲の動きをさらに進めるものだと批判しました。

 自民党や民主党が「改憲のルールでも護憲のルールでもない公正・中立なルール」などと説明したのに対し、笠井氏は、今回の法案提出が「現に進行している改憲案づくりと密接不可分に結びついていることはまぎれもない事実ではないか」と強調しました。自民党が昨年十一月に九条二項を削除する「新憲法草案」を決定し、公明党も秋に「加憲」案を出すとしていること、民主党も昨年十月に国連の軍事行動への参加を可能とする「憲法提言」を発表したことを指摘しました。

 そのうえで笠井氏は、「手続き法自体に反対だが、内容についていえば改憲案を通しやすいあらゆる仕組みとなっている」と批判。具体的に(1)国民の自由な意見表明、行動を制限している(2)改憲推進の大キャンペーンができる仕組みとなっている(3)改憲案の承認に関する「過半数」が有効投票総数の過半数(与党案)・投票総数の過半数(民主党案)とハードルが低く設定されている―などの問題をただしました。

 また、両案とも「改憲案を論議する常設の『憲法審査会』を設置し、連続的に改憲の流れを推進しようとしている」と強く批判しました。

 自民党の甘利明議員は「与党案と民主党案の違いはほとんど分からない。落ち着き所は見えている。手続きについての議論もいいが、早く憲法改正の中身についての議論に入ってほしい」と本音をもらしました。


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