2006年5月31日(水)「しんぶん赤旗」
教育基本法改悪 廃案求める
教育法学会が声明
日本教育法学会は三十日、国会内で記者会見し、教育基本法改悪法案の廃案を求める会長声明を発表しました。同学会は教育学者、法学者など六百人で構成。声明は二十七日の同学会総会で決定したものです。一九七〇年の創立以来、学問的な研究を主としてきた同学会が声明を発表するのは初めてです。
声明では、改悪法案は法律の力によって教育を統制しようとする志向が現れているなど「看過することのできない重大な問題が含まれている」とし、「政府法案はもとより、民主党対案についても、その速やかな廃案を強く求めるものである」と述べています。
会見で、教育法学会会長の伊藤進・明治大名誉教授は「法案は学問的に見て妥当でない。学会として何らかの対応をしていく必要がある。そうでなければ、学会の社会的使命を果たせない、ということで廃案という態度表明をした」と述べました。
前会長の堀尾輝久・東京大名誉教授は「この間の学会の活動は憲法、教育基本法という未完のプロジェクトをどう発展させるかに力点を置いてきた。今回の改正はその趣旨とは違う逆接的改正だ」と改悪法案を批判。世取山洋介・新潟大助教授は「改憲を除いてこれ以上の危機はない。教育の秩序から自由と平等が法的に喪失させられようとしている。研究者としてだまってはいられない」と述べました。