2006年5月28日(日)「しんぶん赤旗」
ネオナチ犯罪 根絶しよう
外国人排斥反対のデモ
高齢者や若者 外国人も参加
ベルリン
【ベルリン=中村美弥子】ドイツでネオナチによる外国人襲撃事件が相次ぎ、社会問題化するなか、外国人排斥に反対し、ネオナチ犯罪の根絶を訴えるデモ行進が二十六日、ベルリンでありました。第二次世界大戦中のナチ体制を経験した高齢者から若者まで、幅広い世代の約二千人が参加しました。
デモは、トルコ出身の左翼党ベルリン市議会議員のギヤセッティン・サヤン氏が先週、ベルリン市内でネオナチの男二人から暴行を受け負傷した事件に抗議するために急きょ計画されました。参加者は「ナチズム根絶」のスローガンを叫びながら、同市議が襲われたリヒテンベルク地区を行進しました。
大学生のミヒャエル・メレさん(20)は、「失業問題が深刻化し、社会に不満をもつ人たちが怒りのはけ口を外国人に向けている。絶対に容認できない」といいます。トルコからドイツに移住して十七年になるハカン・スリスさん(28)は、「外国人として、差別に抗議する意思を示したかった」と語りました。
「政府はもっと真剣にネオナチ一掃に取り組むべきだ」というのは、エファ・ラウスナさん(43)。「学校教育の現場でも、過去の教訓をしっかり教えることが大事」と強調しました。
ドイツの連邦憲法擁護庁が二十二日に公表した統計によると、二〇〇五年に起きたネオナチによる外国人襲撃事件は前年より23%増の九百五十八件でした。ショイブレ内相は国を挙げてネオナチ根絶のためにたたかうことを約束。メルケル首相も二十四日、「不寛容な思想には容赦ない姿勢で臨む」と表明しました。