2006年5月27日(土)「しんぶん赤旗」

食料主権求めシンポ

アジア7カ国農民が報告


 市場原理一辺倒のWTO(世界貿易機関)の貿易に対し、各国の食料政策を決める権利・食料主権を広めるアジア農民組織のシンポジウムが二十六日、東京都内で開かれました。世界的な農民連合組織のビア・カンペシーナ(スペイン語で農民の道)と農民運動全国連合会が主催しました。

 豊島区民センターには三百人が会場を埋め、韓国、タイ、フィリピン、東ティモール、ベトナム、インドネシア、日本の七カ国農民組織代表の報告に聞き入りました。

 各国代表は、一九九五年にWTOが発足以来、穀物価格の暴落を招き、農地が換金作物の大企業栽培に支配される事態を告発し、「とくに女性が海外に出稼ぎにいく」(インドネシア)など農村が崩壊し飢餓が生まれている、と訴えました。

 アメリカなどの穀物多国籍大企業の安全性に不安がある遺伝子組み換え作物の持ち込みに対し、地域にあう種子を守る活動(東ティモール)、有機農業の生産振興(ベトナム)が紹介されました。農民連の白石淳一副会長は、家族農家を切り捨てる日本での逆流を許さず、消費者と結び生産を続けるとのべました。

 ビア・カンペシーナの調整委員のユン・グン・スンさん(韓国)は、命を守る食料主権を広めることが対案だとのべ、平和で環境にやさしく安全な食料を持続的に供給できる家族農業を発展させるため力を合わせようとよびかけました。


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