2006年5月26日(金)「しんぶん赤旗」
南米の企業が交流 第1回見本市
米主導に対抗し地域間協力
【メキシコ市=松島良尚】南米ボリビアの政府所在地ラパスで二十四日、「米州ボリバル代替構想」(ALBA)第一回交流見本市の開会式が行われました。見本市は二十六日までの予定です。
ALBAは、米主導の米州自由貿易地域(FTAA)構想に反対し、「協力と連帯」を基本とする地域統合構想です。ボリビアとキューバ、ベネズエラが推進し、その具体化として三カ国は「人民貿易協定」(TCP)を締結しています。
見本市の目的は経済情報の交換やさまざまな生産セクターの交流です。三カ国から約七十の企業が参加し、展示場を設置。アルゼンチンやブラジルの企業も参加しています。
開会あいさつに立ったボリビアのガルシア副大統領は、大資本だけが経済のグローバル化を可能にするという見方を否定し、国民は地域間、諸国間で相互に依存し、協力しながら労働していると指摘。ALBAは新自由主義的なグローバル化に代わるもう一つのグローバル化をめざし、その精神は草の根からの支えだと強調しました。
同副大統領はまた、他地域の他の経済協定などを排除せずにALBAを拡張していこうと呼びかけ、そうした見地でアンデス共同体を刷新することも可能だと述べました。
アンデス共同体は、ベネズエラがコロンビアとペルーの米国との自由貿易協定(FTA)締結を理由に脱退表明したことから、その行方が注目されています。