2006年5月26日(金)「しんぶん赤旗」
ACD閣僚会議
産油収入をアジアへ
ドーハ宣言採択 各国の発展に活用
【ハノイ=鈴木勝比古】カタールの首都ドーハで開催されていたアジア協力対話(ACD)第五回閣僚会議は二十四日、エネルギー、農業、教育、観光など十二分野の協力をうたったドーハ宣言を採択して閉会しました。会議はまた、タジキスタンとウズベキスタンの二カ国の加盟を承認、ACD加盟国は三十カ国となりました。
ドーハからの報道によると、ドーハ宣言は、産油国の石油輸出収入をアジア地域に吸収する構想を承認しました。中東産油国の投資先はこれまで米欧が中心でした。これをアジア地域に振り向け、アジア各国がその資金を各国の発展に活用するねらいがあります。タイのタクシン首相が提案していました。
またACD各国のエネルギー協力の唯一の公開討論の場として「ACDエネルギーフォーラム」の創設も追認しました。フォーラムはすでに昨年九月にインドネシアで第一回を開催しており、第二回がパキスタンで十一月に予定されています。
インドネシアとフィリピンが提案した「エネルギー行動計画」の作成を決めました。エネルギーの安全保障、研究と査定、エネルギー・インフラ発展、エネルギー収入のアジア地域への投資などを計画に盛り込みます。
中国が提案した農業協力、タイが提案した観光発展のロードマップ(行程表)の作成、そのほか高等教育の促進、貧困克服と人材育成もうたっています。
会議に並行して日中関係改善のための両国外相会談の開催やカタール、ロシア両国外相の共同会見でのイラン核問題の外交的解決の呼びかけなどアジア地域がかかえる諸問題の打開も追求されました。
ACDには主要な産油国であるロシア、サウジアラビア、イランなどと主な消費国である中国、インド、日本などが加盟しています。次回閣僚会議は来年、韓国で開催します。