2006年5月25日(木)「しんぶん赤旗」

アムネスティ年次報告

ビラ配布有罪・「慰安婦」訴訟の棄却

日本の人権侵害批判


 【ロンドン=岡崎衆史】二十三日に公表された人権団体アムネスティ・インターナショナルの年次報告書は、日本での人権侵害の例として、自衛隊官舎へのビラ配布を有罪とした東京高裁判決、元「慰安婦」の訴訟の棄却、死刑執行の問題などを取り上げています。また、こうした状況を理解する背景として、自衛隊の海外派兵や憲法九条改悪をめぐる動きについても触れています。

 報告書は「表現の自由の制限」として、東京高裁が昨年十二月、東京・立川市の自衛隊官舎にイラク派兵反対のビラを配布した市民団体のメンバー三人を有罪にした判決を指摘。また、東京拘置所にいた女性が出産直前まで手錠をかけられ、生まれた赤ちゃんはすぐよその施設に預けられたことを人権問題として挙げています。

 また、女性への人権侵害として、元「慰安婦」が賠償を求めた訴訟の最高裁による棄却(昨年二月)と、東京高裁による棄却(同年三月)を取り上げました。

 報告書は、女性の性奴隷化などの戦争犯罪に対する完全な賠償と適切な謝罪を日本政府が怠り続けてきたこと、過去の侵略についての日本の歴史教科書の描き方について、日本政府が近隣アジア諸国の批判を受けたことを紹介。また、自衛隊の海外派兵がきっかけとなって、憲法九条の改定をめぐる議論が起きていることも紹介しています。


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