2006年5月25日(木)「しんぶん赤旗」
今国会で成立ねらう
衆院特別委 教育基本法改悪で首相
衆院教育基本法特別委員会は二十四日、小泉純一郎首相らが出席し総括質疑を行いました。民主党提出の対案「日本国教育基本法案」の趣旨説明・質疑も行いました。
小泉首相は民主党が対案を出していることについて「どうして対立しなきゃならないか。民主党もかつて自民党にいた人が幹部だ。相違点より共通点を見いだし、慎重審議を進めれば今国会での成立は可能だ」と成立への意欲を示しました。
基本法改定の理由について自民党の町村信孝元文科相は「心の貧しさ、倫理道徳の退廃や『公』の軽視を全部基本法のせいにするつもりはないが、一つの方法として立ち戻って改正が必要だ」とのべました。首相は「住んでいる国を愛するのは大事だ。この六十年を振り返ると大きな変化であり、教育の重要性を改めて認識しようと改正案が出されたことは意義がある」とのべました。
町村氏は、中学校教材の『心のノート』を取り上げ、「『わが国を愛しその発展を願う』などは教えることなしに身につかない。教育とはたたきこむ部分、教えこむ部分がなければならない。基礎がふわふわしたまま先に進めないため、基礎学力低下につながっている」とのべました。
また「一部の組合幹部は依然としてマルクス・レーニン主義から脱しきれない。一部の古いマルクス・レーニン主義者によって教育現場がリードされている現実がある」と事実をゆがめる攻撃を行いました。
民主党の松本剛明政調会長は、「愛国心」にかかわる表現で政府案と民主党案に違いがないと表明。同党の藤村修議員は、憲法調査特別委員会の例をあげ「教育基本法が憲法に準ずるものであれば、教育基本法に関する調査会を設け、与野党で一、二年の議論をしていこう」とのべました。