2006年5月25日(木)「しんぶん赤旗」
社保庁長官発言が圧力
高橋議員 年金不正免除でただす
日本共産党の高橋千鶴子議員は二十四日の衆院厚生労働委員会で、大阪府などの社会保険事務所が国民年金保険料の未納者への納付免除を、本人の申請がないのに不正に行っていた問題をとりあげました。
高橋氏は、問題の背景に、保険料の収納率アップを求める社会保険庁長官の一連の発言が「現場へのプレッシャー」になったのではないかと、ただしました。
社会保険事務所による不正な免除や猶予は、大阪が三万七千四百六人分、長崎が五千二百十九人分、東京が七十九人分などとなっています。
高橋氏は、「所得が低く、自力で(保険料を)払うことができない方に免除や納付猶予を認めて、年金受給権を保障することが重要だが、今度の不正免除問題は、国民の年金に対する不信感を拡大させ、年金制度そのものが立ち行かなくなる」と強調。真相究明と再発防止策を求めました。
そのうえで高橋氏は、昨年六月の事務局長会議で、村瀬清司社保庁長官が、国民年金の収納率で結果を出すことを説明し、「改革に後ろ向きな人、邪魔をする人には去っていただきたい」と述べていることを紹介。
同長官は昨年十一月に出した「国民年金の収納率」緊急メッセージで「当面の目標は、『免除対策、納付督励、強制徴収の実施』により、全国の12月末における改善幅を、+2・0%とする」と強烈なハッパをかけています。
村瀬長官は「免除対策だけをやれ、といったつもりはない」と答えたものの、「法律に基づいた公正な業務」をおこなっていくと答えました。