2006年5月24日(水)「しんぶん赤旗」
“軽い病気”は保険外
免責制度 財務相が導入強調
谷垣禎一財務相は二十三日の閣議後記者会見で、社会保障費を抑え込むため、病院での窓口負担に加え五百―千円程度を患者から徴収する「保険免責制度」について「視野の中にきちっと入れて議論しなければならない」と述べ、導入を検討すべきだとの考えを強調しました。
「保険免責制度」は、医療費の一定額(たとえば外来受診一回あたり五百―千円)までを保険対象からはずし、その分を全額自己負担にするもので、風邪などの「軽い病気」は保険の対象外になります。
谷垣財務相は昨年秋、医療制度改革論議の中で免責制の導入を主張。日本経団連の奥田碩会長らも強く求め、昨年秋の厚生労働省の「医療改革試案」にも盛り込まれました。しかし、「国民皆保険を壊す」との声が医療関係者をはじめ、与党内からも上がり、国会で現在審議中の医療改悪法案では法案化が見送られました。
谷垣財務相の発言は、政府・与党が六月の「骨太方針」への反映を目指し、歳出・歳入一体改革論議を進めている機会をとらえ、その導入に強い意欲を示したものとみられます。