2006年5月21日(日)「しんぶん赤旗」

長野・医療改悪反対署名

返信はがき1900通思い“びっしり”

通院だけで20万円


 「長野県をめざせ」。政府・与党はこんなことをいいながら医療改悪法案の成立を狙っています。「長野県の平均入院日数は短く、医療費も安い」と、同県を指標に法案の「医療費適正化計画」で、療養病床二十三万床削減などを打ち出したのです。「とんでもない」と、当の長野県では医療団体が地元紙に医療改悪反対の“署名はがき付きチラシ”を折り込んだところ、「小泉の高齢者命取り政権は交代以外ない」など、痛烈で切実なコメントが署名に添えられ続ぞくと返ってきました。

 長野県の患者・医療・労働団体でつくる医療団体連絡懇談会と社会保障推進協議会は三月末、医療改悪の内容を知らせる署名はがきつき折り込みチラシを配りました。

 チラシには「私たちも患者負担増に反対します」として、赤十字や厚生連(農協)など地域の拠点病院の院長、歯科衛生士会や臨床検査技師会など医療団体の会長、県老人クラブ連合会会長ら四十人が名を連ねました。

 署名はがきの返信は四月末までに約千九百通。署名数は六千百を超え、「いまも署名は届きます」(事務局)。そのうち約千二十通に「先進国とは名ばかりの医療後進国であることを初めて知りました。生命にかかわる問題だけに声をあげていかねばと思います。署名での参加の機会を与えてくださり感謝です」(女性・四十六歳、東御市、会社員)などのコメントが添えられていました。

 コメントを「切実なわたしのひとこと集」としてまとめた県保険医協会の新津俊治事務局長は、「男女、世代を問わず関心は高い。高齢者の声は切実。現役世代も退職後の負担増や家計への影響による老後の不安を訴えている。若い人たちへも情報提供になった」といいます。


 ○…「『医療改革』に反対します。我が家の医療費は昨年に比し3倍、通院だけでも20万円になりました」飯山市、農業、女性(66)

 ○…「父が入院・介護状態となり、1人で交代勤務でやりくりしながら、ヘルパーさんと協力してなんとか生活しております。今以上の負担増は現状ではとても納得できません。改革は弱者にばかり押し付けないでほしい」中野市、会社員、女性(29)

 ○…「92歳の母と身障者の息子がいます。医療費のことや自分が世話ができなくなったときにどうなるのか心配です。改悪は困ります」飯田市、主婦、女性(69)

 ○…「母が介護5にて難病のため療養3年になります。ぜひ改革をしないでください。生活が不安になり家計も大変です」大町市、農業、女性(54)

 ○…「通院で10年くらいになります。最初は1割負担でしたが3割負担に。正直言ってきついです。これ以上の改革はくい止めたいものです。お先まっくらです。もう少し生きていたくなる世の中を願います」諏訪郡、会社員、女性(59)


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