2006年5月21日(日)「しんぶん赤旗」

教育基本法改悪 共同の力で阻止

私たちは何をしたら

東京で緊急シンポ 教育現場から声


 「教育基本法改悪案で教育はどうなる?」と題した緊急シンポジウムが二十日、東京都内で開かれ、パネリストの発言や「改悪でどうなるのかだけでなく、何をしたらいいのか」の提起に、詰めかけた二百人が聞き入りました。主催は全日本教職員組合ほか四団体。

 基調講演をした東京大学名誉教授の大田堯さんは、憲法と教育基本法をつなぐ「人間の尊厳」と「基本的人権」は生命の特徴と関連していると指摘。生命の特徴として、一人ひとり違う、自ら変わる自己創出力を挙げ、「改悪案は一人ひとりユニークな存在を愛国心の枠にはめ込み自然の摂理に反するもの」と述べました。

 シンポジウムでは四人が発言。日本共産党の石井郁子副委員長は、現行法のどこが問題なのか政府・与党が答えていないことを挙げ「ここが相手の弱点であり、基本法の生命力を示している」と述べ、「共産党として、他の野党と一致できる点を大いに広げてがんばりたい」と発言しました。

 明治大学教授の三上昭彦さんは「教育基本法改悪の一番のねらいは基本法一〇条を変え、『国家教育政策法』に変えていくことだ」と告発しました。

 都立七生養護学校元校長の金崎満さんは、東京都の教育基本法無視の姿勢と教育現場の様子を告発し、新日本婦人の会の岡田麻也子さんは「教育とは何なのかという議論があちこちで起こっている」と述べました。

 会場から五人が発言。中学教員の女性=東京・八王子=は「市内の教職員組合が一緒にチラシを作り、集会を開いた。十八年前に組合が分かれて以来初めてだ」と紹介。「行政の締め付けは厳しいが、私たち教員は、現行法六条の“教員は全体の奉仕者”という文言があるからがんばれる」と発言し、会場から拍手が起こりました。


長崎 高教組・県教組が集会

 「教育の憲法・教育基本法」の改悪案が国会にだされ強行が狙われるなか、長崎県高等学校教職員組合(県高教組、全教加盟)と同県教職員組合(県教組、日教組加盟)は二十日、長崎市公会堂前広場で「教育基本法改悪ストップ!5・20長崎県集会」を開きました。

 小・中学、高校の教職員をはじめ、千人を超す父母、市民らが参加し「『愛国心』の押しつけは戦争に続く道」などと抗議の声をあげ廃案を訴え、繁華街をデモ行進しました。

 集会では両組合の委員長がそろってあいさつ。県教組の明石佳成委員長は教育基本法前文を読み上げ、「改悪の狙いは国家のために死ねる人間づくりにある」と怒りを込めました。高教組の吉岡賢委員長は、「改悪案は密室で協議されてきたもの。改悪の本音が国民に広がる前に成立させようと狙っている。憲法九条改悪反対運動とも結び必ず廃案に」と決意を表明しました。

 小学生と中学一年の子をもつ女性は、「教育基本法改悪が強行され『愛国心』まで評価の対象にされると思うと恐ろしくなる」と不安を訴え。会場からも「そうだ」の声があがり、強行を狙う与党への怒りが広がりました。


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