2006年5月19日(金)「しんぶん赤旗」
京都議定書締約国
特別作業部会を開催
【ベルリン=中村美弥子】地球温暖化防止のための京都議定書締約国が二〇一三年以降の温室効果ガス削減目標について交渉する特別作業部会が十七日、ドイツのボンで始まりました。百六十三カ国が参加し、二十五日まで続きます。
一九九七年に調印された京都議定書は、先進国全体の温室効果ガスの排出量を二〇〇八―一二年の「第一約束期間」に、九〇年比で5%以上削減することを義務付けています。昨年末にカナダ・モントリオールで開かれた気候変動枠組み条約第十一回締約国会議(COP11)では、一三年以降の削減対策について協議を始めることが確認されました。
一三年以降の温室効果ガス削減目標について、欧州連合(EU)は「第一約束期間」で定められた量よりも多くの削減量が必要だと表明しています。一方、カナダは「第一約束期間」の義務さえ達成困難だと消極的な姿勢を示しています。立場の違いをどう乗り越え、共通の目標を設定するのかは今後の交渉に委ねられています。
特別作業部会初日のこの日、ザミット・クタヤール元気候変動枠組み条約事務局長が議長に選出されました。
特別作業部会に先立ち、地球温暖化防止にかんする長期的協力のための「対話」初会合が十五日から二日間の日程で開かれました。「対話」では、先進国と途上国が排出削減に取り組むために、双方が研究・技術開発で協力していく方向が話し合われました。国連気候変動事務局のキンリー事務局長代理は、温室効果ガス排出削減の必要性に対し、「大きな一致をみた」と評価しました。