2006年5月19日(金)「しんぶん赤旗」
北朝鮮と平和条約検討
米紙 6カ国協議と並行
米政府
【ワシントン=鎌塚由美】米ニューヨーク・タイムズ紙十八日付(電子版)は、ブッシュ政権が北朝鮮との平和条約の交渉開始を含む「新たなアプローチ」を検討していると報じました。
北朝鮮の核問題をめぐる六カ国協議と並行して平和条約の交渉を始めるという「新たなアプローチ」を「ブッシュ大統領が承認する可能性が非常に高い」との側近の見方を伝えたもの。ただ、北朝鮮が六カ国協議に復帰するまでは承認しないといいます。
「新アプローチ」は、ライス国務長官が指揮し、同長官の側近フィリップ・ゼリコウ氏が起草したものとされます。
同紙は、「政権内の多くの者が、核問題に真正面から取り組んでいてもあまりにも困難なだけだという結論に達した」との政権当局者の言葉を紹介。さらに、イランの核問題との関連で「北朝鮮が核保有国になりたいと望んでいるイランのモデルになることを放置できないとの認識がある」という当局者の言葉も引用しています。
昨年九月十九日に採択された六カ国協議の共同声明は、「直接の当事者は適切な話し合いの場で、朝鮮半島における恒久的な平和体制について協議する」と明記しています。