2006年5月19日(金)「しんぶん赤旗」
海兵隊移転でグアム新道路
既存基地結ぶため
赤嶺議員に政府答弁書
日米両政府が在沖縄米海兵隊のグアム移転のために必要としているグアムでの高規格道路の建設が、既存の米海軍基地と米空軍基地の間を結ぶためのものであることが十八日までに分かりました。海兵隊の移転が、グアムに新たな海兵隊基地を建設するとともに、既存の海・空軍基地と一体化し、三軍の出撃拠点づくりを進める狙いを持っていることを示すものです。
日本共産党の赤嶺政賢衆院議員の質問主意書に対する政府答弁書で明らかになりました。
日米両政府は、在日米軍再編「最終報告」に盛り込んだ在沖縄海兵隊のグアム移転のためとして、司令部庁舎や家族住宅・隊舎、インフラ(電気・上下水道)をはじめ、ヘリ発着場、訓練支援施設、燃料・弾薬保管施設といった基地施設などを建設することで合意しています。グアムに海兵隊の新基地を建設するものです。
これらに加えて日米間の合意では道路を建設するとしています。答弁書はこの道路について「(グアムにある)アプラ海軍基地とアンダーセン空軍基地を結ぶ高規格道路」であると指摘。「米国からは、(現在、沖縄にいる)第三海兵機動展開部隊のグアムへの移転に伴い両基地に同部隊の施設が整備されることから、両基地間の人員の移動や物資の輸送のために道路が必要であるとの説明を受けている」としています。
防衛庁の説明によると、グアムの海兵隊新基地はアプラ海軍基地とアンダーセン空軍基地とは別の場所につくることになっており、これに加えて両基地にも海兵隊施設を建設し、高規格道路で結ばれることになります。
アプラ海軍基地は攻撃型原子力潜水艦の母港で、アンダーセン空軍基地には戦略爆撃機がローテーション配備されるなど、米国の先制攻撃戦略のための拠点に位置付けられています。海兵隊の新基地建設によってこれらの基地が一体化し、いっそう強化されることになります。