2006年5月19日(金)「しんぶん赤旗」
伊新首相 イラク撤兵表明
【パリ=浅田信幸】四月の総選挙勝利を受けて政権についたイタリアのプローディ新首相は十八日、上院で初の施政方針演説を行い、イラクに派遣しているイタリア軍部隊を撤退させる方針を表明しました。
プローディ氏は演説で、「イラク戦争は重大な誤りだった」と断言。「それは安全の問題を解決せず、逆に問題を複雑にした」と指摘するとともに、「平和の使命こそが政府の決定の中心に置かれる」とし、「イタリア軍の帰還を議会に提案する」とのべました。
ベルルスコーニ前右派連立政権は、七割を超す反戦世論に背いて、三千人のイラク派兵を強行、現在も二千六百人の兵士を駐留させています。この間、武装組織による攻撃などで二十人以上が殺されています。先の総選挙ではプローディ氏の中道左派連合「ユニオン」はイラク撤兵を公約に掲げて勝利しました。
イラクには当初米国を含めて三十九カ国が派兵、すでに十五カ国が撤退しました。