2006年5月14日(日)「しんぶん赤旗」
清張「点と線」舞台が消える
西鉄香椎駅
社会派ミステリーの先駆けとなった松本清張の小説「点と線」の舞台となった西鉄香椎駅(福岡市)の駅舎が取り壊されるのを前に、「清張の会」が13日、お別れの会を開き、清張ファンら80人以上が参加し、別れを惜しみました。
同駅舎は、大正時代に建てられ、平屋の赤い三角屋根が当時をしのばせます。高架化にともない、この日が現駅舎での最後の営業日となりました。「点と線」は、1957年から雑誌『旅』に連載されました。
「清張の会」事務局長の上田喜久雄さんは「発表当時をしのぶ最後の舞台がなくなることになる」とさびしそうに語ります。
西鉄香椎駅は、「点と線」で、香椎海岸で遺体で発見された登場人物が下車した駅です。
年配から若者まで幅広い年齢層の清張ファンらが、同駅から、現在の香椎海岸や、国鉄(現在はJR)香椎駅まで歩き、小説の世界に思いをはせました。