2006年5月14日(日)「しんぶん赤旗」
“憲法は美しい法律”
森永卓郎さん・永六輔さん講演
フェスティバル開く
東京
「平和・人権 憲法を身近なものに」と掲げる「憲法フェスティバル」(主催=実行委員会)が十三日、東京都千代田区で開かれ、放送作家・エッセイストの永六輔さんや経済評論家の森永卓郎さんの講演に、集まった六百人が聞き入りました。森永さんは「世界でもっとも美しい法律をなぜいま変えようとするのか。ここで憲法を守らないと戦前をくり返すことになる」と訴えました。
同フェスティバルは、「憲法の理念を楽しく真剣に考えてもらう機会に」と弁護士や市民らが一九八七年に始めたもので、今年で二十回目。
森永さんは講演で、財界再編に取り組んだ一九二〇年代の日本と、現在の小泉内閣がすすめる「構造改革」は目的は同じと指摘。「デフレからの脱却を掲げてアメリカ並みの格差社会をつくり、法を次々と変えているが危険なシナリオだ。自分さえよければいいという時代の雰囲気や、憲法を変えるということを許せば、間違いなく戦争に巻き込まれる国になる。ここで止めなければならない」と強調しました。
永さんは、「天皇又は摂政及び国務大臣、国会議員、裁判官その他の公務員は、この憲法を尊重し擁護する義務を負ふ」という憲法第九九条の条文を紹介し、「守る側に国民が入っていないということは、国民の側が発した憲法ということ。憲法には、人権など守るべきものがたくさんあるが、この九九条が素晴らしい」と強調しました。
フェスティバルでは、オペラ歌手の佐藤光政さん、講談師の神田香織さんも出演しました。