2006年5月13日(土)「しんぶん赤旗」
医療改悪法案
保険外負担を拡大
高橋議員 混合診療解禁を追及
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日本共産党の高橋千鶴子議員は十二日の衆院厚生労働委員会で、医療改悪法案に盛り込まれた「混合診療」拡大の問題を取り上げました。答弁のなかで、川崎二郎厚労相は「実質的な解禁だ」と明言しました。
保険による診療と保険がきかない診療を併用する「混合診療」は、これまで「高度先進医療」や「差額ベッド」など、「特定療養費」制度として例外的に扱われてきました。医療改悪法案では、これを「保険外併用療養費」につくりかえ、「必ずしも高度でない先進医療」や、欧米諸国で承認されていても日本では承認されていない「国内未承認薬」、「(保険による)制限回数を超える診療行為」にまで拡大する内容となっています。
高橋氏は、現在でも高度先進医療にかかる費用(患者の自己負担分)に大きな格差があることを、厚労省資料を示しながら指摘しました。例えば、PPH(内痔<じ>核などの特別な手術)は、一番低い島根県の病院では六万五千円なのに、大阪府の病院では十二万八千円と、二倍の料金差があります。
また、「差額ベッド」代では、一日あたり二十円から最高二十六万二千五百円まで開きが生まれています。
高橋氏は「(「混合診療」の解禁で)こうした差が特別ではなくなるのではないか」とただしました。厚労省の水田邦雄保険局長は「有効性、安全性が確認されれば保険適用になるが、そこに至る前段階で結果としてこうなるので、致し方ない」と答弁しました。
高橋氏は、「混合診療」が広がれば、「患者が選んだ、同意したという理由のもとで、保険外給付が増えていくことになる」と批判しました。