2006年5月11日(木)「しんぶん赤旗」

タクシー運転手

規制緩和で労働環境悪化

参院委 仁比議員が打開策求める


 日本共産党の仁比聡平議員は十日、参院決算委員会で、規制緩和によるタクシー運転手をめぐる労働環境の著しい悪化を取り上げ、打開策を講じるよう求めました。

 仁比議員は今月初旬に福岡で行った実態調査を踏まえて追及。タクシー労働者の平均年収三百八万円が、「男子常用労働者」の五百四十三万円より「二百三十五万円少ない」(〇四年度)との厚生労働省答弁をうけて「実態はもっとひどい」と指摘しました。

 仁比氏は、タクシー労働者賃金の大半が出来高払い・歩合制のなかで、平均売り上げを上回るノルマを課され、達成しなければ賃金カットを強いられたタクシー労働者が、ノルマ達成のためサラ金に手を出し自己破産に追い込まれるなどの事例を示し、改善の必要を強調しました。

 北側一雄国土交通相は「歩合制のありようについて、これでいいのか、厚生労働省とよく連携をとって考えないといけない」と答弁しました。

 仁比氏は、タクシーでは、一日二十四時間の勤務を一カ月十二、三回行うのが一般的としながら、月二十六日も勤務させているタクシー会社があることをあげ、「低賃金構造が長時間労働を常態化させ、もっとも重要な安全を脅かしている」として、行政の認識と対応をただしました。厚労省は「厳格に対処する」と答弁しました。


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