2006年5月10日(水)「しんぶん赤旗」
米軍再編経費
防衛庁、根拠示さず
緒方議員追及 米側にはすでに説明
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日本共産党の緒方靖夫議員は九日の参院外交防衛委員会で、防衛庁の守屋武昌事務次官が、在日米軍再編の日本側負担について「グアム移転経費を除き八年間で二兆円と試算している」と講演(四月二十四日)していることも挙げ、日本側負担の試算額を明らかにするよう求めました。
額賀福志郎防衛庁長官は「これから試算する。まだ説明できる段階ではない」との答弁を繰り返しました。しかし、さらに追及されて、「守屋次官は、彼なりに専門家としてのイメージを言ったのではないか」としつつ、「(守屋次官の試算額に)根拠がないといっているわけではない」と答弁しました。
緒方氏は「非常に重大な発言だ」と指摘。そのうえで、合意の前提となった再編経費の試算を明らかにしようとしない日本政府の姿勢を批判し、「これではまともな国会審議はできない。守屋次官が認め、米側に示した積算根拠を示すべきだ」と述べました。
緒方氏は、ローレス米国防副次官が示したグアム移転費七千億円を加えた三兆円という額と、守屋次官の試算額は「かなり近い数字だ」と指摘。またローレス氏が、民放のインタビューに対し、三兆円の根拠を「日本側から提供された」と述べていることをあげ、「米国には積み上げた数字を述べ、ここ(日本)では(説明を)先延ばしにする。こんなおかしな話はない」と批判しました。