2006年5月9日(火)「しんぶん赤旗」
乱脈同和行政にメス
「解同」支部長を逮捕
大阪市開発公社管理委託の駐車場 収益の一部着服
大阪市の外郭団体「大阪市開発公社」から管理委託されていた駐車場の収益の一部を着服していたとして、大阪府警捜査二課などは八日、業務上横領の疑いで、財団法人飛鳥会(同市東淀川区)の理事長小西邦彦容疑者(72)を逮捕しました。
小西容疑者は、「解同」(部落解放同盟)飛鳥支部(同市東淀川区)の支部長も務めています。また、三菱東京UFJ銀行淡路支店の行員(42)も現金の移し替えに関与したとして、業務上横領のほう助の疑いで逮捕しました。
調べでは、飛鳥会は同和対策事業の一環として市開発公社から淀川区にある西中島駐車場の管理業務を任されていましたが、小西容疑者は二〇〇三年十二月ごろ、同会名義の銀行口座にあった収益のうち一千万円を自分名義の口座に振り込み、横領した疑い。
飛鳥会は、一九七一年に設立され、駐車場経営のほか、貸しビル業などもおこなっています。小西容疑者は設立時から理事長を務めています。
市の責任は重大
日本共産党大阪市議団・下田敏人団長の談話
小西邦彦容疑者の逮捕は、遅きに失したとはいえ、「同和」利権の温床にメスを入れる点で大きな前進と言うことができる。これまで、わが党議員団は、この横領容疑の元となった西中島駐車場の問題は、七四年の開業当初から、これが乱脈な同和行政の典型であると同時に、なによりも暴力団の資金源となる恐れが強いとして、一貫してその是正を求めてきた。
今回の逮捕は、わが党の主張の正しさを証明するとともに、長年にわたって、ゆがんだ同和行政を続けてきた大阪市当局の責任が極めて重大であることを明らかにした。
日本共産党大阪市議団は、引き続き市当局の責任追及はもとより、同和利権の一掃、同和行政の廃止をめざして奮闘するものである。
解説
共産党、当初から追及
今回の飛鳥会理事長の小西容疑者の業務上横領事件も含め、今年一月の「大阪府同和建設協会」による談合事件や、芦原病院(同市浪速区)への無担保の巨額の貸付金や補助金の不正流用など、大阪市が続けてきた同和行政のゆがみが次々に明らかになっています。
横領事件の駐車場は、JR新大阪駅南側にある西中島駐車場(約三千七百平方メートル)で、七四年八月開業。当初から飛鳥会と随意契約を結んで一年ごとに更新してきました。飛鳥会は、駐車場収入として二〇〇四年度に七千百五十五万円が入ったと報告し、大阪市には千八百二十二万七千八百五十円を納めています。しかし、報告がずさんで、実際にはもっと多くの収入をあげていたとみられます。同公社は、今年三月末で契約を打ち切っています。
日本共産党大阪市議団は、不公正な同和行政の典型例として当初から契約破棄を求めてきました。二月の市議会でも「この駐車場の事業委託は、長期にわたって飛鳥会をもうけさせる目的でおこなわれたものだ」と指摘、「党市議団として再三にわたって是正を求めてきたのに、見直してこなかったことについて深刻な反省が必要だ」と、同和特権を温存させてきた市当局の責任を追及しました。