2006年5月8日(月)「しんぶん赤旗」
医療改悪
負担公平論はすり替え
NHK番組で小池氏 徹底審議を要求
日本共産党の小池晃政策委員長は七日のNHK「日曜討論」に出演し、国会で審議中の医療改悪法案について各党代表と討論し、「法案はすさまじい負担を高齢者や重症患者に強いるものになっている」と改悪案に反対しました。
医療改悪法案は、与党が今週末にも衆院厚生労働委員会での採決を狙っており、重大なヤマ場を迎えています。
討論の中で、自民党の丹羽雄哉社会保障制度調査会長は「人口減少、少子高齢化をふまえて皆保険制度の持続のために、今国会で決着をつけたい」と発言。公明党の福島豊政務調査会副会長も「今回の改革はやっておかなければいけない」とあくまで成立させる姿勢を示しました。
小池氏は「そもそも来週どうこうする法案ではない。お金のことが大変だと言うが、米軍のために何兆円ものお金を出すという議論がまかり通っているときに、お年寄りにだけ負担を強いるやり方は通らない話だ」と徹底審議が必要だと主張。さらに、法案が混合診療を拡大する条項を盛り込んでいることを指摘し、「今までの日本の医療は保険証一枚あれば診てもらえるという仕組みだったが、それが壊されていくきっかけになる」と反対しました。
丹羽氏は「これまでは高齢者イコール経済的弱者という考えだったが、高齢者の中にも所得のある人もいる。そういう方に対しては現役並みに負担をお願いしたい」と負担増を正当化しようとしました。小池氏は「“負担の公平”という話はすり替えだ。今まで高齢者の医療費を軽減してきたのは経済的弱者という理由ではなく、高齢者のほうが病気になりやすく、治りにくいという医学的理由からだ」と批判しました。
最後に小池氏は「医療改悪で自己負担を増やせば、病院に行かなくなり、早期治療・早期発見が遅れる。予防に対する最悪の逆行を今度の法案でやろうとしている」と述べました。