2006年5月7日(日)「しんぶん赤旗」
CIA元分析官が米国防長官と激論
イラク開戦「なぜウソを?」
【ワシントン=山崎伸治】「なぜあなたはウソをついたのか」「私はウソをつかなかった」―四日、ジョージア州アトランタで開かれたラムズフェルド米国防長官の講演会で、米中央情報局(CIA)の元分析官がイラク開戦をめぐる同長官のかつての発言を引いて質問し、激しいやりとりとなりました。
講演会はアトランタの非営利団体「南部国際問題研究所」が参加者を公募して開きました。
同長官の講演に続く参加者との一問一答で、CIAに二十七年間勤め、現在はブッシュ大統領の弾劾要求運動を進めるレイ・マクガバン氏が質問。同長官が開戦前の二〇〇二年九月に「(国際テロ組織)アルカイダとフセイン政権とのつながりを示す、動かしがたい証拠がある」と述べていたことをあげ、「ウソだったのか、誰かが作り上げた話だったのか。CIAの同僚も(同時多発テロ事件を調査した)9・11委員会も異議を唱えていた」と追及しました。
ラムズフェルド氏は「私はウソをつかなかった。パウエル氏(国務長官)もウソをつかなかった」と返答。続けて「大量破壊兵器もなかったようだ」と述べました。
これに対しマクガバン氏は「あなたはティクリットやバグダッドの近くにあると言った」と、さらに追及。ラムズフェルド氏は「私が言ったのは、怪しい場所がどこかを知っているということで…」と口ごもりました。
質疑に先立つ講演も、途中三度にわたって聴衆のやじで中断。「ウソつき」との叫び声に、ラムズフェルド氏は「そういう非難をよく受けるが、それは誤りで、不当だ」と反論しました。マクガバン氏は、そのやりとりを聞いて質問する気になったと五日付のロサンゼルス・タイムズ紙に語っています。