2006年5月5日(金)「しんぶん赤旗」
ペルー大統領選
来月4日に決選投票
元陸軍中佐と元大統領で
【メキシコ市=松島良尚】四月九日の投票で過半数の得票を得た候補がいなかったために実施されるペルー大統領選決選投票は、「ペルーのための団結」(UPP)のウマラ元陸軍中佐(43)とアメリカ革命人民同盟(APRA)のガルシア元大統領(56)との間で六月四日に行われることになりました。全国選挙評議会が三日、発表しました。
開票率99・98%の段階で、ウマラ氏が得票率30・6%、ガルシア氏が24・3%。ガルシア氏と三位のフロレス国民統合(UN)代表が接戦だったため開票作業が慎重に行われましたが、二、三位の順位変更の可能性はないと判断されました。
自身を「現代の民族主義者」だとするウマラ氏は新自由主義反対を掲げ、民営化を担った多国籍企業との契約や米国との自由貿易協定(FTA)の見直し、制憲議会発足などを提唱しています。決選投票に向けて他党の協力を求めることはないとし、「最大の同盟は国民との同盟だ」と語っています。
ガルシア氏は、大統領時代の一九八〇年代後半に数千パーセントのインフレを招いた経済失政の過ちを認めるとともに、当時の生活実感が希薄な若い世代に焦点をあててキャンペーンしてきました。第一回投票後、全政党に対話を呼びかけています。三日には、ペルーの国際的地位の強化を主な目的とする「責任ある変革」を提起しました。