2006年5月5日(金)「しんぶん赤旗」
大阪市 乱脈同和行政ここまで
「解同」系病院に320億円
使わぬ土地 141カ所も購入
「解同」(部落解放同盟)系民間病院への市補助金の不正使用疑惑、市の未利用地をめぐる疑惑、駐車場のずさんな管理…。大阪市で日本共産党市議団が長年にわたって追及してきた不公正乱脈な同和行政の実態が次々明らかになっています。児童館の廃止、敬老パスの取り上げなど「市政改革」の名で市民サービスの切り捨てをねらう一方で、全国的には終結しているはずの同和事業を継続し、むだ遣いを続ける市に市民の批判が広がっています。
「解同」系の民間病院「芦原病院」(大阪市浪速区)に、大阪市はこれまで、総額三百二十億円もの税金を注ぎ込んできました。名目は補助金、貸付金、赤字補てんのための特別貸付金。しかも、貸し付けた百三十億円は何の担保もなく、一円も返済されていません。
ことしに入って新たに浮上したのが市補助金の不正使用疑惑。四月二十二日、市民らが大阪地検特捜部に関淳一市長、磯村隆文前市長らを背任の疑いで刑事告発しました。市長らは病院側に医療機器購入の予定も事実もないと知りながら、不正に補助金を出した疑いがあるとしています。
日本共産党の北山良三大阪市議が、〇二―〇四年度までの三年間の購入医療機器二十件について、独自に医療器具製造メーカーや取り扱い業者に聞き取り調査した結果は――。
〇四年度に四千八百万円で購入したとされる「検査機器一式」はすでに一九九九年に納入されていました。同病院が実際には購入していない医療機器について補助金を受け取った疑いがあります。購入の形跡のないケースは調査では、〇三年度と〇四年度だけで、十一件八千四百万円にのぼっています。(表)
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〇二年度購入の眼科検査に使う「細隙灯(さいげきとう)ファイリングシステム一式」は定価の三倍の「購入価格」の記載になっていました。
百条委の設置自公民が拒否
日本共産党大阪市議団は三月三十日に、この問題を調査・解明する「百条委員会」の設置を提案しましたが、自民、民主、公明は拒否しました。
芦原病院の補助金不正使用疑惑について、市の「芦原病院調査委員会」は、〇二年から〇四年度の補助金四億八千九百万円全額が不正に流用されていたとする調査報告書を提出しました。報告書によると、大阪市は補助金が同病院の運転資金として使用されることを知りながら、補助金が申請どおりに使用された旨の虚偽の精算報告書を大阪市自身が作成していたとしています。
四月二十八日に開かれた大阪市議会民生保健委員協議会で北山市議は、改めて疑惑解明のため、百条委員会を議会に設置するよう主張しました。
「空き地」なのに実際は駐車場
大阪市が事業目的がないのに「解同」の言うままに土地を買いあさってきた結果、未利用地は百四十一カ所、十一万三千平方メートルにのぼることが、日本共産党大阪市議団の調べで明らかになっています。
大阪市はこれらの土地を、「解同」系の「人権協会」に管理委託し、多額の維持管理費を支払ったり、駐車場として利用させてきました。広大な未利用地を「解同」の利権の対象として利益を得させている実態が浮き彫りになっています。
一九九二年に九億六千六百万円で買収し、人権協会に年間百二十五万六千円で管理委託している大阪市浪速区の工場跡地(二百四十六平方メートル)は、市の資料では「空き地」なのに、実際は駐車場として使われています。
党議員の「駐車場料金は、市の収入として計上されているのか」との質問に、市の担当者は「把握していない」と答弁、無責任ぶりを示しました。
共産党が30年前から追及
西中島駐車場 「解同」系の契約打ち切りに
日本共産党が、不公正な同和行政の典型例として三十年前から契約破棄を求めてきたのが、大阪市西淀川区の新大阪駅に近い西中島駐車場(約三千七百平方メートル)のずさんな管理です。日本共産党の追及に大阪市はついに三月末で契約を打ち切ることを表明しました。
この駐車場は大阪市開発公社が経営。その管理・運営を、なんの関係もない「解同」(部落解放同盟)飛鳥支部長が理事長を務める「飛鳥会」に七四年以来、委託していました。
市側は七五年当時、「収容台数約九十台」といっていましたが、実際は常時二百台から三百台駐車しているという管理のずさんさが日本共産党の姫野浄市議(当時)の調べで明らかになりました。党市議団は「人件費を払っても、五年間で三億八千万円ももうかる」「『解同』の利権あさりの場になっている」と再三にわたって契約解除を求めてきました。
〇四年度は、駐車料収入は約七千百万円なのに、市には約千八百万円しか納められていませんでした。