2006年5月1日(月)「しんぶん赤旗」

主張

第77回メーデー

人間らしい雇用と平和の連帯


 ひとりぼっちではない―。非正規で働く若者が、労働組合に参加してたたかう姿が、テレビでもとりあげられるようになりました。

 きょうは第七十七回メーデーです。八時間労働制を求める労働者のたたかいから始まったメーデーは、労働者と国民がそのときどきの要求を掲げ、団結と連帯の力を示す日として発展してきました。

正規も非正規もともに

 低賃金・無権利の非正規労働者の急増にみられるような、格差と貧困を広げる弱肉強食の小泉「改革」にたいし、今日ほど社会的連帯での反撃が求められるときはありません。

 正社員と肩を並べて働いているのに非正規労働者には食事補助も出ない。会社の理不尽なやり方に正規労働者が一緒になってたたかい、同じ待遇に改善させた職場もあります。

 非正規雇用急増の根源には、小泉政治が実行した派遣労働の自由化など労働法制の規制緩和があります。

 正規労働者も無法に苦しめられています。成果主義賃金が広がり、賃下げと「サービス残業」が深刻です。労働者の精神と肉体をむしばみ、家庭崩壊と職場の人間関係まで壊しています。民間をはじめ公務や学校現場にまで持ち込まれ、住民や子どもに目がいかなくなるという問題を生んでいます。

 百七人が死亡したJR西日本福知山線の脱線事故をはじめ、航空機事故の続発や自動車のリコールの急増は、民間大企業のコスト削減による“安全より利益優先”主義の誤りを露呈させました。

 異常な大企業中心主義を特徴とする小泉政治のもとで、ものづくりや交通・運輸の分野でも、公共サービスの現場でも、人間らしい労働と国民の利益を結びつけたたたかいが始まっています。

 小泉「改革」は、医療にまで「格差」を持ち込もうとしています。「医療制度改革」法案は高齢・重病の人に負担増を押しつけるとともに、公的保険のきかない医療を拡大する「混合診療」の本格的導入を盛り込んでいます。日本の医療制度をおおもとから壊す大改悪を高齢者と現役世代が連帯してはね返しましょう。

 異常なアメリカいいなりの政治の矛盾も浮き彫りになっています。住民の安全を脅かす「米軍基地再編強化」反対の、自治体ぐるみのたたかいが全国各地で前進しています。

 憲法九条改定が、アメリカとともに「海外で戦争する国」づくりにあることは「米軍再編」との関係でも明らかです。「九条の会」が全国で五千近くに達し、力強く運動が広がり、高知県土佐清水市などで憲法擁護署名が有権者の過半数を達成しています。国民多数派を結集する運動を強め、憲法改悪のための国民投票法を阻止しましょう。

 政府の教育基本法改定案は、教え子たちを戦場に送った戦争教育の反省の上にうちたてられた民主主義的原則を破壊する重大な内容です。憲法改悪と結びついた教育基本法改悪を許すわけにはいきません。

国民分断の政策に抗して

 日本共産党は、国民に分断をもちこむ「新自由主義」がはびこるもとで、「ルールなき資本主義」から「ルールある経済社会」への転換をかかげ、「社会的連帯で反撃を」とよびかけてきました。また、基地強化反対・撤去、憲法改悪反対のたたかいをよびかけてきました。

 メーデーを成功させ、人間らしい労働条件と雇用、平和と民主主義を求める国民の共同と連帯を広げていきましょう。


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