2006年4月29日(土)「しんぶん赤旗」

補助金約5億を流用

「解同」系芦原病院 市は黙認、虚偽報告

大阪


 「解同」(部落解放同盟)系民間病院・芦原病院(大阪市浪速区)への市補助金の不正使用疑惑を調査していた大阪市の芦原病院調査委員会(伊多波良雄委員長)は二十八日、調査報告書を提出。医療機器購入や補修工事のための補助金のいずれも申請書通りに購入・施工したものはほとんどないのに、申請書通りに実行された旨の虚偽の精算報告書を大阪市自身が作成していたと発表しました。

 同調査委員会は、日本共産党の北山良三議員が市議会で、同病院への備品補助金による医療機器購入の不正を追及したことを受け、大阪市の委嘱でつくられました。調査対象は、二〇〇二年から〇四年までの三年間の補助金。調査報告書によれば同病院は、七〇年に大阪府市同和医療地区センターとして位置付けられ、大阪市は総額百八十二億円の補助金に加え、百三十億円を貸し付けてきました。

 同報告書によると、同和事業の根拠法が〇二年三月に失効したにもかかわらず、市は三年間で四億八千九百万円の備品整備補助金を交付。病院側は備品購入、補修工事という本来の目的に使用せず、病院の運転資金にまわしていました。市は、それを知りながら「申請どおりに使用された旨の精算報告書を作成していた」とのべています。本来同病院側が作成すべき補助金交付の申請書、事業計画書、予算書、精算報告書のいずれも、大阪市みずからが作成していました。同病院は昨年民事再生法適用を申請、ことし四月、浪速医療生協から医療法人に営業譲渡されました。


乱脈同和行政 関市長に責任

 日本共産党大阪市議団瀬戸一正政調会長の談話 芦原病院への整備補助金がすべて大阪市による偽造文書で執行され、運営費に流用されその使途も不明だという調査報告は、わが党議員の指摘を裏付けるものです。同和行政がいかに乱脈な税金無駄遣いをしてきたかを示しています。過去に環境保健局長として補助金支出をみずから執行し、担当助役を二期務め、今日も依然として乱脈な同和行政を推進し、芦原病院への貸付金百三十億円を「民事再生」で債権放棄しようとしている関大阪市長の責任はきわめて重大です。わが党は、芦原病院問題の全容解明を求めて三月議会で百条委員会を提案しましたがオール与党が否決しました。広範な市民のみなさんとともに、引き続き五月議会で市長の責任を徹底追及していく決意です。


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