2006年4月29日(土)「しんぶん赤旗」

直下型M7を基本に

原発耐震指針で改定案

安全委分科会


 国の原子力安全委員会のもとで原発の耐震指針を検討している分科会は二十八日、「耐震設計審査指針」の改定案をまとめました。想定すべき直下地震の規模について、これまでM(マグニチュード)6・5としていたのを「M7クラスが起こりうる」ことを基本にすべきだとしています。

 現行の指針が定められたのは一九八一年。九五年の阪神・淡路大震災(兵庫県南部地震)を契機に再検討を求める意見が広がり、安全委員会は二〇〇一年に分科会を設置しました。今年三月には、金沢地裁が、現在の耐震設計には重大な欠陥があるとして志賀原発2号機の運転差し止めを命じる判決を出しました。

 改定案とともに発表された報告書は、旧指針における「直下地震M=6・5」は廃止すると明記しています。改定案では具体的な地震規模を明記していませんが、報告書では、M7クラス(M6・8―7・3)を基本とし、「詳細な調査等によりそこまで想定する必要がないと実証されれば、この地震規模の設定を下げてもよい」としています。

 また、原発に影響を与える活断層について、従来過去五万年間の活動を問題にしていましたが、改定案では過去十二万―十三万年までさかのぼるとしています。

 同時に発表された「分科会の見解」のなかでは、想定された地震動を超える地震による「残余のリスク」も考慮すべきだとしています。

 改定案は一般公募の意見を反映させる作業をへて、七月以降に最終決定される予定です。


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