2006年4月26日(水)「しんぶん赤旗」

金融商品取引法

規制対象狭すぎる

望まぬ人への勧誘禁止必要


佐々木議員質問

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(写真)質問する佐々木議員=25日、衆院財務金融委

 日本共産党の佐々木憲昭議員は二十五日の衆院財務金融委員会で、金融商品の勧誘、販売のルールが求められる「金融商品取引法」(投資サービス法)「改正」案について、「規制の対象が狭すぎる。被害者を出さない規制が必要だ」と批判しました。

 金融商品の勧誘、販売については、高齢者などが生活資金を失う被害が多発し、「不招請勧誘」(望まない人への勧誘)の禁止と、「適合性原則」(消費者の財産、知識や目的などに合わない取引の禁止)の徹底が求められています。

 佐々木氏は、今回の法案では、これまで不招請勧誘が禁止されてきた取引所金融先物取引の規制が外されていることを指摘し、これが業界の意見にそったものであると批判しました。

 そのうえで、金融商品の被害を防ぐには、不招請勧誘禁止をすべてに適用する必要性を強調。今回の法案では、「政令で定める」ものとなっており、「それ以外は自由にできるようになるではないか」と追及しました。

 金融庁の三國谷勝範総務企画局長は、この指摘を事実上認めましたが、不招請勧誘の禁止が新商品の説明など「営業の自由を制限する」と、業界よりの答弁に終始しました。

 佐々木氏は、「被害が出てからでは遅すぎる。不招請勧誘禁止を原則とすべきだ」と主張しました。

 さらに、銀行などの融資、預貯金と保険の一部が対象外となっていることについて、過剰融資などの被害が多発している問題を指摘。「今後、金融サービス法をつくるさいに対象とすべきだ」と主張したのにたいし、与謝野馨金融担当相は、「規制の枠組みについてひきつづき検討したい」と答えました。


解説

不十分な消費者保護

 政府は一九九八年の金融ビッグバン以来、「貯蓄から投資へ」と金融の規制緩和をすすめる一方、金融商品を買う人にたいする消費者保護はなおざりにしてきました。

 その結果、変額保険や外国為替証拠金取引など元本割れの危険性の高い金融商品で、生活資金や老後資金を失う人が続発しており、徹底した消費者保護の法律が求められています。

 しかし、今回の法改正は、規制の対象が「投資性のある金融商品」に限定され、銀行融資や預金、保険などが除外されており、より包括的な規制が求められます。

 また、被害者団体や弁護士などは「不招請勧誘」の禁止と「適合性原則」の徹底を求めてきました。法案では「適合性原則」の対象は広がりますが、「不招請勧誘」の禁止は、店頭金融先物取引が予定されているだけで、きわめて狭い範囲になっています。

 被害者救済については、「金融商品販売法」によるとされていますが、被害者側に被害を立証する責任を負わせているため、救済が困難となっています。そのため、金融商品の被害防止にも、その被害補償についても不十分な内容になっています。

(吉川方人)


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