2006年4月25日(火)「しんぶん赤旗」
「日の丸・君が代」での処分取り消せ
都立高21教員が請求
今年三月の都立高校の卒業式で「君が代」斉唱時に「日の丸」に向かって起立するなどの職務命令に違反したとして懲戒処分を受けた二十一人の教職員が二十四日、東京都人事委員会に処分取り消しを求める不服審査請求を行いました。
東京都教育委員会が二〇〇三年に、入学式や卒業式で「日の丸・君が代」を教職員に強制する通達(10・23通達)を出して以来、不服審査請求を行った教職員はのべ二百二十三人になります。
今回処分された教職員の代表と「日の丸・君が代」不当処分撤回を求める被処分者の会(被処分者の会)が都庁を訪れ、人事委員会に審査請求書を提出しました。
同会弁護団の澤藤統一郎弁護士が「人事委の審理は三カ月でやるのが法の建前。〇五年に処分された人の審理はまだ始まってもいない」と指摘。処分された福嶋常光さんは「速やかな審理を」と請求書を手渡しました。
記者会見で澤藤氏は「都教委は職務命令違反に基づく処分というが、職務命令そのものが教職員の基本的人権を侵害するもの。そのような命令を出すのは教育基本法の禁じる『不当な支配』であり、処分も違憲・違法だ」とのべました。
今回初めて戒告処分を受けた西田益久さんは「(卒業式で)立った人の中にも、強制はおかしいという危機感を共有している人が多い」と語りました。