2006年4月24日(月)「しんぶん赤旗」

姉歯元建築士・木村建設社長ら

きょうにも逮捕状

耐震偽装


 耐震強度偽装事件で、警視庁などの合同捜査本部は二十四日にも、建築士法違反(名義貸し)容疑で姉歯秀次元一級建築士(48)らを、決算を粉飾した建設業法(報告義務)違反容疑で木村建設(熊本県八代市、破産)の木村盛好社長(74)はじめ幹部らの逮捕状を請求する方針です。耐震強度が低いマンションを販売したヒューザーの小嶋進社長(52)の事情聴取も行われ、コスト優先で安全を置き去りにした事件は、大詰めの段階を迎えています。

 調べによると、木村建設で監査役を務めていた税理士は、約三十年前から木村建設の税務を担当しており、二○○三年ごろ、同社側から「前任者が亡くなって空席だから、監査役に就任してくれ」と頼まれたもの。

 昨年十二月に同社が倒産するまで務めたものの、税理士は、決算書類に目を通したことも、押印したこともなく、「報酬も受け取っておらず、結果的に名前を貸すだけになってしまった」と話しています。

 木村社長は一九九八年から「赤字は困る。黒字にしろ」と社内で粉飾を指示していたことが分かっており、捜査本部は、木村社長らが商法に基づく監査役の決算書類チェックを経ず、粉飾を主導していたとみています。

 一方、姉歯氏は、千葉県の不動産会社が建設したマンション三棟で、一級建築士の免許がない友人の建築デザイナーが意匠設計を担当したにもかかわらず、自分の名義で自治体に建築確認を申請させた疑い。

 このほか、耐震偽装をめぐっては、ヒューザーが「グランドステージ藤沢」の一部入居者に偽装を知らせず購入代金四億円余を支払わせた詐欺の疑いが持たれています。

 また、「サンホテル奈良」のオーナーから、開業指導をした総合経営研究所と施工した木村建設が偽装を知らせずに建設代金約二億二千五百万円を支払わせた詐欺の疑いも浮上しています。


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