2006年4月23日(日)「しんぶん赤旗」
“今春の強制”報告会
日の丸・君が代で保護者・教職員ら
東京都教育委員会の「日の丸・君が代」強制問題で、教職員や保護者、市民でつくる「教育を壊すな!市民と教職員東京ネットワーク」(代表委員・小森陽一東京大学教授ら三人)が二十二日、都内で「卒業式・入学式報告交流集会」を開きました。都内の教師、保護者が今春の式の様子について報告。都教委に方針撤回を求めるアピール文を採択しました。
都立高定時制を今春卒業した大田区の石川弘太郎さん(65)は、副校長から「『君が代』を歌ってほしい」と再三にわたり圧力を受けた体験を報告。「私が給食を食べている横に年下の副校長が来て、延々と説得された。ここまでやるかと思った」と話しました。
訓告処分を受けたある高校の男性教師は、後日都教委に呼び出された際、そこで話した内容を職員が紙に書き取り、内容に相違がなければ署名となつ印をするよう求められたといいます。「警察の調書みたいだと思った」と話しました。
また都内の区立中学校の保護者は、在校生向けの「在校生の心得」とする文書を紹介。髪形や靴のはき方などについて細かく指示した上、「式歌(国歌、校歌、仰げば尊し、蛍の光)は姿勢を正し、大きな声で歌う」と書かれていたといいます。
主催者側は、都教委が今月、職員会議での挙手や採決を禁止する通知を出したことに触れ、「教育現場の『構造改革』と『日の丸・君が代』強制とがリンクして進められている。引き続き反対の世論を起こしていく必要がある」と述べました。