2006年4月23日(日)「しんぶん赤旗」
“安全性向上せず”3割
JR西3労組の調査発表
JR福知山線事故を受けてJR西日本が策定した「安全性向上計画」を検証する集会が二十二日、大阪府の豊中市民会館で開かれました。主催した国鉄労働組合西日本本部と西日本旅客鉄道労働組合の組合員ら約七百人が参加しました。全日本建設交運一般労働組合(建交労)西日本鉄道本部も含めた三労組による約二万三千人の組合員へのアンケート結果が報告されました。
それによると、「計画策定後、職場はかわったか」との問いに「変わっていない」との回答は国労では62%、JR西労組では27%。全体では「変わらない」29・2%、「変わった」6・2%、「少し変わった」28・4%でした。
「事故の芽」(事故に至らない軽微な事象)について、81%が「報告した」と回答、15%が「報告していない」と回答しました。報告するとマイナス評価を受けることから、報告できない状況があることをうかがわせます。
管理職が組合員に服従をしいていると批判された「現場長・現場管理者とのコミュニケーション」について73・7%が「以前と変わらない」と答えました。
集会では井上枝一郎関東学院大学教授が「更なる安全確立に向けて」と題して講演しました。
国労西日本本部の上村隆志委員長が、「集計は厳しいものを多く含んでいますが、最大の教訓は安全に関して組織の違いを超えて協力できたことです。引き続き安全輸送を確保するJR西日本を目指す」と閉会あいさつしました。