2006年4月23日(日)「しんぶん赤旗」

イラク国民議会

正式政府首相にマリキ氏

正副大統領らも選出

政治空白に終止符


 【カイロ=松本眞志】イラク国民議会は二十二日、昨年十二月の選挙で選出されて以来二回目となる会合を開き、大統領にクルド人のジャラル・タラバニ氏を選出、アラバニ大統領は正式政府の首相にイスラム教シーア派連合「統一イラク同盟」に所属するダアワ党のジャワド・マリキ氏(56)を指名しました。これによって、昨年十二月の総選挙以来四カ月以上にわたる政治空白に終止符が打たれ、混迷するイラク情勢の打開に向け動き出すことになります。

 同議会はまた、副大統領にシーア派のアディル・アブデルマハディ氏とスンニ派のタレク・ハシェミ氏をそれぞれ選出しました。また、議会議長にスンニ派統一会派「イラク合意戦線」のマフムード・アルマシュハダニ氏を選出しました。

 首相選出問題では「統一イラク同盟」が先に推薦していたジャファリ移行政府首相をスンニ派、クルド人勢力が反対し、政治空白が続いてきました。同「同盟」が二十一日、マリキ氏を次期正式政府首相候補に推すことで合意し、事態が大きく変わりました。

 スンニ派の統一会派「イラク合意戦線」のアドナン・ドレイミ氏は「ジャファリ氏以外の人物が候補になれば、われわれはそれを妨げないし、支持するだろう」と発言。クルド人議員のマフムード・オスマン氏は「クルド人の政党はマリキ氏に反対しない」と述べていました。

 マリキ氏は議会再開に先立つ記者会見で、「われわれは党派や民族的背景にはよらない『家族』を形成する」と述べ、内戦の危機すら指摘される宗派・民族間対立を脱却する決意を表明しています。

 同氏は、ダアワ党の有力メンバーの一人で、党の報道官を務めていました。一九八〇年代にシリアに亡命し、ダアワ党の活動に従事。二〇〇三年のフセイン政権崩壊後にイラクに帰国し、政界や軍から旧バース党勢力を排除する先頭に立ってきました。


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