2006年4月20日(木)「しんぶん赤旗」
イラク派兵“広報グッズ”
3600万円で「イメージ戦略」
防衛庁
三年目に入った自衛隊のイラク派兵。防衛庁が携帯電話ストラップやキーホルダーなど八品が入った派兵「広報グッズ」やビデオ、パンフレットを作製し、今月に入って国会議員事務所や自衛隊地方連絡部などに配布しています。「アメリカの侵略戦争への加担を覆い隠すイメージ戦略だ」と批判が出ています。
「グッズ」は一万五千セットを用意。袋には大きく「For the Future of Iraq」(イラクの未来のために)と書かれています。銃を持った隊員の姿を漫画風にデザインし、イラスト入りのノートやメモ帳、ステッカーも入っています。防衛庁広報課は「特に若い世代と女性に、自衛隊の活動を知ってほしいと考えた」としています。
イラクでの給水活動などを紹介したビデオは一万本、パンフは五万部を作製。派兵で「イラク復興のために大きな成果を上げています」などと宣伝します。一連の広報費用は三千六百万円です。
これまでに同庁記者クラブと、衆参の国会議員事務所に配布。大半は各地の自衛隊地方連絡部に送付し、広報イベントや隊員募集業務などで利用するといいます。
イラク派兵の差し止めを求めている「自衛隊イラク派兵差止訴訟全国弁護団連絡会議」の事務局長の佐藤博文弁護士は「派兵された自衛隊は、米兵の輸送任務にあたるなど、米軍の作戦行動に組み込まれて活動している。それを子どもだましのグッズで『人道支援』と言いくるめようとする。国内向けの“情報戦”だ」と批判しています。