2006年4月19日(水)「しんぶん赤旗」
増える余剰プルトニウム
国際公約を投げ捨て
参院委で緒方議員批判
青森県六ケ所村の再処理工場稼働は、「余剰プルトニウムは持たない」としてきた日本の国際公約投げ捨てになる―。日本共産党の緒方靖夫参議院議員が十八日の外交防衛委員会で政府のプルトニウム利用政策を取り上げ、批判しました。
緒方氏は、日本が英国やフランスへの再処理委託で約三十七トンのプルトニウムを回収するなど、すでに多量のプルトニウムを保有し、六ケ所村の再処理工場が本格稼働すれば、年間約五トンのプルトニウムが新たに回収されることなどをあげました。
そのうえで、「日本が保有するプルトニウムはどんどん増えることになる」と指摘。政府がIAEA(国際原子力機関)総会で「必要な量以上のプルトニウムは持たない」と表明してきたことをあげ、「繰り返し公約してきたことに反するのではないか」とただしました。
これにたいし麻生外務大臣は、「原子力政策大綱では利用目的の無いプルトニウムは持たないという原則を堅持しており、日本が保有するプルトニウムの量に変動が生じたとしても必要な量以上のプルトニウムになるということは無いと考えている」と答えました。
緒方氏は、「利用目的の無いプルトニウムは持たない」と言い換えたことは政府の立場を変更したものだと批判。「国際公約を事実上投げ捨てる態度は、核不拡散に対する日本の立場をきわめて弱いものにしてしまう」と指摘しました。