2006年4月19日(水)「しんぶん赤旗」
国民の教育権を否定
全教 教育基本法改悪案で見解
全教(全日本教職員組合)は十七日、与党の「教育基本法改正に関する協議会」がまとめた教育基本法の改悪案について、中央執行委員会の見解を発表しました。
見解は、改悪案が「(憲法の)理想の実現は、根本において教育の力にまつべき」の文言を削除するなど、憲法改悪を狙う動きと一体だと指摘。「愛国心」を押しつけ、教育が「国民全体に対し直接に責任を負って行われるべき」という文言を削って国民の教育権を否定するなど憲法違反の中身だと批判しています。
また、教育の目的から「真理と正義を愛し」を取り払い、「教育振興基本計画」を政府が自由にすすめられるようにし、「教員」の項目から「全体の奉仕者」の文言を抜くなど、教基法の中心的精神をすべて抜き去り、時の政府が思うままに教育を支配できる仕組みをつくるもの―とのべています。
そのほか「形成者」の概念を変質させていることや、「教育の方針」を「目標」として到達度をはかろうとしていること、「男女共学」の削除、義務教育から「九年」の規定を除いていることを指摘。教育という重要な国民的課題をすべて密室協議し、国民不在ですすめてきたことも重大問題だとしています。
改悪案の撤回、国会提出の断念と改悪案策定作業の中止を強く求めています。