2006年4月19日(水)「しんぶん赤旗」
ドイモイ・汚職克服・党建設…
ベトナム共産党が大会
25日まで
【ハノイ=鈴木勝比古】ベトナム共産党第十回大会が十八日午前、ハノイで始まりました。ノン・ドク・マイン書記長が中央委員会報告を行い、ドイモイ(刷新)の全面的な推進、早期の経済の後進性脱却、汚職・腐敗の克服と党の強化・健全化を強調しました。二十五日までの日程です。
マイン書記長は中央委報告で、二〇〇一―〇五年五カ年計画で年平均7・5%の経済成長を達成したと報告。同時に▽経済の質が低く競争力が弱い▽経済機構の転換が遅い▽党の健全化が不十分―などの弱点を認め、中央委員会、政治局、書記局の指導責任を自己批判しました。
ベトナムが目指す社会主義を「民が豊かで国が強く、公平、民主的、文明的な国」の建設と規定。社会主義指向の市場経済を発展させ、「社会主義法治国家」を建設し、清潔で強力な党を建設するとの任務を提起。一九九一年採択の党綱領「社会主義への過渡期の綱領」を今後、研究・発展させるとしています。
国家経済、集団経済、民間経済(個人、小経営、資本家)、国家資本主義経済、外資経済などの各経営形態の発展を掲げ、これらが社会主義指向の市場経済の重要な構成部分であるとして、長期にわたって共存、発展し、健全な競争を行うとしています。
外交政策については、独立・自主の対外路線を堅持し、各国の共産党、左翼党、民族独立、革命、進歩運動との関係強化、各国の政権党との関係拡大、東南アジア諸国連合(ASEAN)各国との全面的な協力の推進、世界貿易機関(WTO)加盟に備えての対策の強化などをあげています。
汚職・浪費の防止の強化は社会の緊急の要請であり、党の決意であるとして、清潔で強力な党の指導機構を構築し、「体制存亡の危機」の克服を呼びかけています。
ダオ・ズイ・クアット党中央思想文化委員会副委員長は、二十三日の書記長選出の新しい方法を説明。大会代議員が新中央委員を選出した後に、代議員全員による新書記長推薦の参考投票を行うと明らかにしました。参考投票の結果に基づいて、新中央委員会が書記長の候補を推薦します。新中央委員会は政治局委員を選出し、この新政治局委員の中から中央委員会が新書記長を選出します。
党規約の改正では、党員の経営参加問題のほか、党が「労働者階級の党」であることに加え「勤労人民と民族の党」であると明記するよう提案しました。大会には三百十万人の党員を代表して千百七十六人の代議員が出席します。