2006年4月18日(火)「しんぶん赤旗」
医療改悪法廃案へ
1カ月座り込みスタート
東京民医連
国会で審議が始まった医療改悪法案の廃案を求めて東京民主医療機関連合会は十七日、一カ月間の国会前座り込み(五月十七日まで)をスタートさせました。スタート集会には三十一人が参加し、「いまでも受診抑制が起こり負担増には耐えられない。地域から廃案に向けた運動を起こしていこう」と訴えました。
「脳梗塞(こうそく)で入院を予定していた患者が直前に行方不明になった。医療費の負担を心配してのことだった」。東京保健医療生協の勝呂好二さん(54)は集会で事例を紹介しました。
勝呂さんなどによると二〇〇三年、台東区の竜泉協立診療所に六十三歳の男性が左半身のしびれを訴え来診しました。検査の結果、脳梗塞と診断され、診療所は病床のある東京健生病院を紹介し、男性はタクシーで病院に向かったはずでした。
しかし、いつまでたっても男性は到着しません。二日後、自宅のアパートに戻ったことを大家さんが病院に知らせてくれました。男性は国民健康保険に加入し保険料を払っていましたが、医療費が心配でじっとしていられず外を歩き回っていたといいます。
病院は「生活保護を受けることもできる、まずは体を治すことが第一」と説得。男性は入院し回復しました。
医療改悪法案は、七十から七十四歳の高齢者の患者負担をいまの一割から二割に増やします。勝呂さんは「保険料を払えていても窓口負担が重くのしかかる。病気がちの高齢者にとって二割負担は重い。負担が増えれば男性のような状況が高齢者にも広がる」と危機感を募らせます。
集会には、日本共産党の穀田恵二国対委員長と笠井亮衆院議員が駆けつけました。