2006年4月17日(月)「しんぶん赤旗」
米反戦 キャンプ便り
“家族の再会のよう”
500人が集う
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【クロフォード(米テキサス州)=山崎伸治】再開した反戦キャンプ「キャンプ・ケイシー」には十五日、復活祭の週末を過ごそうと、全米から約五百人が詰め掛けました。参加者は、イラク帰還兵や米兵の家族の訴えに熱い声援、拍手を送りました。
二〇〇四年四月に息子ケイシーさんをイラク戦争で亡くしたシンディ・シーハンさんが、「キャンプにようこそ」とにこやかにあいさつ。キャンプ入りした人たちの間を回り、握手と抱擁で歓迎しました。「電子メールではやり取りしていたけれど、会うのはきょうが初めて」という声があちこちで聞かれました。
集会では、帰還兵や兵士、戦死者の家族が発言しました。
帰還兵のジェフリー・ミランドさんは昨年八月、イラクのティクリートにいたとき、テレビのニュースでこのキャンプのことを知りました。「“シンディ・シーハンは兵士の士気を落としている”といわれましたが、士気を落としたのはウソにもとづいて戦争を始めたことが明らかになったからです」と訴えました。
「人前で話すのはきょうが初めて」というティナ・リチャーズさんは、息子が二〇〇三年三月の開戦と〇四年十一月のファルージャ包囲作戦に参加しました。「息子はイラクから戻って、自殺しかけたこともありました」と語りました。
悲嘆にくれていたときに、立ち直るきっかけになったのが娘のカーリーさん(25)の詩でした。
カーリーさんは「息子を求めて叫ぶ母親の声を聞いたことがありますか。涙をこらえる父親の声を聞いたことがありますか」とその詩を朗読しました。
オクラホマ州ノーマンから来たダニエル・リードさん(19)は、「キャンプは仲間意識を感じさせてくれます。ここで一緒にいられるのはすばらしいことです。政治的な集会にとどまらない、家族の再会のような場所です」と語りました。