2006年4月16日(日)「しんぶん赤旗」
自立支援法
128自治体で軽減策
きょうされん調査
施設利用料や医療費
障害者自立支援法が四月一日に施行されたことに伴って発生する施設の利用料や医療費などに、独自の軽減策を設けた都府県や市が、百二十八自治体に上っていることが十五日までに、分かりました。きょうされん(立岡晄理事長)が同法の問題点や改善すべき課題を探る目的で調査し、ホームページで発表しました。多田薫事務局長は「施行に合わせ、これだけ多くの自治体が特別措置を設けなければならないのは、法に問題があるから」と指摘しています。
調査は、聞き取りで行いました。きょうされんの支部がある三十四都道府県内の自治体は支部を通じて、他の十三県は本部が電話で確認しました。対象は八百四十九自治体。都道府県、政令指定都市、特別区、中核・特例・一般各市です。
軽減策を設けたのは、八都府県と百二十市。調査を行った自治体の約15%にあたります。うち施設などのサービス利用料負担軽減策を設けたのが三都府県五十九市の合計六十二自治体(7・3%)。自立支援医療費軽減策は、七都府県七十九市で合計八十六自治体(10・12%)です。両方で軽減措置を設けた自治体もありました。
自立支援法は、応益(定率)負担を新たに障害福祉の分野に導入しました。サービスの利用料や医療費に一割負担を求めます。障害者団体からは「障害が重いほどサービスの利用は多い。障害が重い人ほど負担が増えることになる」と批判の声が上がっています。
サービス利用や補装具に対する低所得者への軽減策では、神奈川県横浜市が、「三年を目途」と制限をつけたものの、市民税非課税世帯のサービス利用者負担額を全額助成。自立支援医療では、栃木県那須塩原市が市民税所得割額二十万円以下は自己負担分を補助します。
多田事務局長は、財政が厳しいなか自治体が軽減策を設けることを「大変なこと」と評価し、「問題の根源は自立支援法で新たに導入された応益負担制度。撤回させなければいけない」と話しました。