2006年4月15日(土)「しんぶん赤旗」
教育基本法改悪案
「国会提出に反対」
学者・文化人19人が声明
自民、公明両党が教育基本法の改悪案を正式決定したことをうけ、作家の加藤周一氏や東京大学教授の小森陽一氏ら学者・文化人十九人が十四日、法案の提出に反対する共同声明を発表、東京・新宿区の早稲田大学で会見しました。
会見には、小森氏のほか、早稲田大学教授の喜多明人氏、教育評論家で法政大学教授の尾木直樹氏、「子どもと教科書全国ネット21」事務局長の俵義文氏が出席しました。
声明は「『愛国心』や道徳律などを書き込み、戦前と同様、行政が国民の心に介入できるようになる恐れが大変強い『改正』案」だと指摘しています。
議論の内容を国民にいっさい知らせず、与党の「密室協議」で決めた過程についても批判。「百年の計といわれる教育の根本原則を、二つの政党の『寄せ木細工』でつくることなどありうるのでしょうか。このまま国会に上程し、数の力で押し通すことは絶対に許されない」とのべています。
会見で小森氏は、「憲法を日本社会において現実化する準憲法的な法律が教育基本法」だとして、与党案は「憲法との関係を断ち切ることを意図したものになっている」と述べました。
尾木氏は「与党からの“押し付け教育基本法”といえる。ここをスタートに国民的議論をわき起こしていきたい」と話しました。
声明には、佐藤学・東京大学教授、作家の辻井喬氏、暉峻淑子・埼玉大学名誉教授、西原博史・早稲田大学教授、藤田英典・国際基督教大学教授、毛利子来・小児科医、山口二郎・北海道大学教授らが賛同しています。