2006年4月14日(金)「しんぶん赤旗」
長崎平和推進協の「政治発言」自粛要請
日本被団協が質問状
日本被団協は十一日、財団法人・長崎平和推進協会が被爆者に「政治的問題についての発言」の自粛を求めた問題で、同協会の横瀬昭幸理事長に公開質問状を出しました。
長崎平和推進協会は一九八三年に官民が一体となって設立し、修学旅行生に被爆体験の講話を行うなど平和推進事業をしている団体です。しかし、今年開かれた被爆体験継承部会総会で、被爆者に文書を提示(一月二十日付)し、「天皇の戦争責任」「憲法(九条等)の改正」「環境・人権」「原子力発電」など政治的問題についての発言は慎むよう求めました。
質問状は、同協会が目的に「核兵器廃絶と世界恒久平和の実現」を掲げていることをあげ、発言自粛は証言者の誠実な意見を封じ、協会の目的にも反することになるのではないかとただしています。
被爆者が、被爆をはじめ国民犠牲をもたらした戦争の反省の上にできた憲法九条の大切さにふれるのは自然ではないか、原爆投下は「環境、人権」を踏みにじるものではないのかなど質問。被爆者が歴史や教育の大切さにふれるのは、被爆者の多くが軍国主義教育を受けて育ち、間違った道を歩んだことへの反省があるからだとし、戦争につながる道を歩まないよう説くことは「世界の恒久平和」をうちたてる基礎ではないかとのべています。