2006年4月13日(木)「しんぶん赤旗」
労働時間の適用除外
厚労省がたたき台 労働政策審議会
解雇を金銭で解決
厚生労働省は十一日、労働者と企業の雇用契約にかんするルールを定める「労働契約法」と、長時間労働の規制にかんする「労働時間法」について、「検討の視点」と題するたたき台をまとめ、労働政策審議会(厚生労働相の諮問機関)の労働条件分科会に提示しました。
同省の「今後の労働時間制度に関する研究会」などが出した労働法制の大改悪案をそのまま盛り込んだものです。二〇〇七年通常国会への法案提出を目指し、七月には中間の取りまとめをおこないたいとしています。
たたき台では「(企業側が定める)就業規則によって労働条件が決定されることが慣習として定着している」とし、就業規則をそのまま労働契約として押し付けることを打ち出しています。
労働条件の切り下げなど契約変更について労働者が争っても強行できる「雇用継続型契約変更制度」、企業側が金を払えば自由に解雇できる「解雇の金銭解決制度」の導入を提示しています。
有期労働者が契約更新を繰り返し、実質無期限に使われている問題についても「一定期間(一定回数)」まで更新を認める方向を示しました。
労働時間では、労基法が定める週四十時間の制限などの対象から外し、無制限に働かせる「自律的労働時間制度」の創設を掲げました。
日本経団連が強く求めている米国の「ホワイトカラー・エグゼンプション」(労働時間規制の除外)に倣ったものです。
該当する労働者については「使用者から具体的な労働時間の配分の指示がされないこと」などをあげています。
また、労働者の過半数が入る組合がない場合、労使の代表が労働条件の変更などを協議する「労使委員会」を設置することも打ち出しました。
労使委員会は、労働組合と違って法律で保障された権利もなく、多数決で何でも決められます。労働条件の切り下げなどに「お墨付き」を与えることになりかねません。
この日の分科会では、就業規則について労働者側から「慣習といっても合意などない」「まず労働契約とは何かをはっきりさせるべきだ」などの指摘や、「日程ありきではダメだ。七月の中間まとめを前提にするな」との意見が出されました。
使用者代表は「エグゼンプションや金銭解決から議論してはどうか」と主張しました。
厚労省「検討の視点」の主な内容
【労働契約】
▽就業規則について
・労働契約の締結や労働条件の変更は、就業規則を周知すれば、就業規則の定めるところとするとの合意が成立したと推定する
・過半数労組のない職場に「労使委員会」を設置し、労働条件を協議させる
▽労働条件の変更について
・企業内の配置転換と同視できる出向は労働者の承諾は不要
▽「雇用継続型契約変更制度」の導入
・契約変更について労働者が争う場合でも雇用を継続すれば実施してよい
▽「解雇の金銭解決制度」の新設
・裁判で解雇無効となっても、企業側が金銭を払えば解雇できる
▽有期労働契約について
・一定期間(一定回数)は契約更新を繰り返すことを認める
【労働時間制度】
▽「自律的労働時間制度」の創設
・使用者から具体的な労働時間の配分の指示がないなど該当する労働者には労働時間法制を適用しない
▽時間外労働、年休について
・一定時間を超えた場合の休日付与、割増賃金の引き上げ、年休の退職時精算