2006年4月11日(火)「しんぶん赤旗」
米がイラン空爆も検討
米紙報道 “核兵器開発阻止へ”
【ワシントン=鎌塚由美】米ワシントン・ポスト紙は九日、ブッシュ政権がイランの核兵器開発を阻止するために、イラン国内の核関連施設を空爆することを「選択肢の一つ」として検討していると報じました。
米政府高官や軍事専門家らの話として同紙が伝えたところでは、国防総省や中央情報局(CIA)の担当者が、ナタンツのウラン濃縮施設やイスファハンのウラン転換施設への空爆を検討しているといいます。核施設への限定的空爆から、軍事的・政治的標的に対するより広範な爆撃までが検討されています。
同紙は、短期間のうちに空爆を実行に移す可能性は少ないとしていますが、ブッシュ大統領は、イランを、自らの任期が終わるまでに対処しなければならない深刻な脅威とみているといいます。
これに先立ち八日には『ニューヨーカー』誌が、セイモア・ハーシュ記者の記事で、米政権内でイラン攻撃作戦の検討を一段と強めていると報じました。政権当局者の話によると、「ブッシュ大統領は、この春にも予定されるウラン濃縮の実験計画を拒否することを決定した」といいます。