2006年4月11日(火)「しんぶん赤旗」
医療改悪法案 現金給付 見直し
埋葬料 最低10万円→5万円
出産・傷病手当金 対象狭める
国会審議が始まった医療改悪法案には、公的医療保険の加入者が死亡した場合に支給される埋葬料を今年十月から一律五万円に減額する案が盛り込まれました。
現在の埋葬料は、一カ月の賃金相当額(最低保障十万円)が支給されており、改悪が実行されれば大削減です。
出産育児一時金は、三十万円を三十五万円に増額します(今年十月から)。一方で、出産手当金、傷病手当金の支給対象を現行制度よりも狭めるなど、健康保険の現金給付制度を大幅に見直すものになっています。
出産手当金は、被保険者の産休による所得の喪失、減少を補うため支給されます。傷病手当金は、病気やケガで療養中の被保険者に支給されます。現行の支給額は「賃金の六割相当額」ですが、見直し後は「賃金の三分の二相当額(ボーナス反映)」にします。
現行では、出産手当金と傷病手当金は、退職後も本人の希望で二年を上限に、被用者保険(組合健保、政管健保、共済組合など)に加入している「任意継続被保険者」にも支給されています。しかし、今回の案では、二〇〇七年四月から給付を打ち切ることにしています。
葬儀や病気など国民の生活の基本にかかわる給付を容赦なく削る医療改悪法案の本質が示されています。